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国宝銅造阿弥陀如来坐像保存修理振動特性調査

ー 常時微動調査 ー

  • 現場名:国宝銅像阿弥陀如来坐像(鎌倉大仏)
  • 顧客:東京文化財研究所
  • 形式:論文・報告書
  • 情報公開日:2016.09.01

業務概要

 ご尊像の常時微動測定を実施し、東京文化財研究所の調査をお手伝いしました。今回は、地震対策評価に必要となるご尊像の固有周期や振動特性を把握しました。なお、ご尊像はステンレス板によるすべり免震装置が設置されており、この調査も同時に実施しました。

調査概要

 常時微動測定は、高感度なサーボ型速度計(東京測振)を用い、8カ所3成分の計24成分を同時に測定しました。これらの速度波形を解析(伝達関数・フーリエスペクトル)し固有振動数や動特性を把握しました。
 常時微動の測定時は、ご尊像の周囲すべてが足場で囲われたため、風の影響をまったく受けることがありませんでした。主な振動元は、波の潮汐、周辺道路を通過する普通車の走行振動、遠くを走る電車の走行振動でした。このため、ご尊像の振動は非常に小さく、さらに振動元によって入力振動成分は大きく異なっていました。今回は、このような状況でも高感度サーボ型速度計(東京測振)を24台使い同時測定することで、高精度で信頼性のある貴重なデータを得ることができました。

参考文献

1)安井佑佳, 森井順之, 佐藤成:国宝銅造阿弥陀如来坐像の地震対策評価 その 2 常時微動調査, 日本建築学会大会学術講演梗概集(九州), 構造II,707-708, 2016